誰でもお気軽にコメントどうぞ。過去記事や微妙に趣旨ずれてても気にしない系のかりょです。
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取り出しますは、月桂樹。
ぐつぐつ泡吹く、お鍋にハラリ。
大きなお鍋は、いりません。
両手ですくった3杯の水、
ミルクパンで御用は充分。
ほわりとみどり、香るころ。
桜のはなびら、蒲公英の茎。
菜の花、藤に、雪ノ下。
隠し味には、アセラスを。
あれば四葉のクローバー。
ぐつぐつ泡吹く、お鍋をながめ、
砂時計をひっくり2回半。
コツは夜中に、ひとりきり。
眠れぬ月夜に、作ること。
火を止め、茶漉しでそそぎだす、
片手ですくえる、わずかなお薬。
お茶碗、お湯のみ、耐熱ビーカー。
あなたのお好みでけっこう。
さあさあ、お部屋に戻りましょう。
ゆげがほわほわ、香ります。
紙にえがいた、魔方陣。
呪文を4回、唱えましょう。
ファルスス・アニムス・エクストリコ。
ぷかりと現れ、みどりの妖精。
あなたを指差し、厳しい顔。
「あなたは、悪い子、いけない子。
悪いことを、しましたね」
妖精、妖精、聞いてください。
わたしは、約束を破りました。
わたしはあの子に、悲しい顔をさせました。
わたしは、悪い子、いけない子。
妖精さらに、厳しい顔。
「そんなことじゃ、ありません。
言うべきことを、言ってません。
いまならあなたは、言えるはず。
あなたはだめな子、ひねくれ子。
だけど今なら、言えるはず」
ここにあるのは、魔法の薬。
ごめんなさいが、言える魔法。
魔法のせいなら、仕方がない。
魔法の薬には、さからえない。
ごめんね、ごめんね、ごめんなさい。
ごめんなさいが言えなくて、
ありがとうもまた言えなくて。
ごめんね、ごめんね、ありがとう。
妖精、にこりと微笑んで、光になって消えちゃった。
後に残ったお薬は、泣き顔にだけ、効く薬。
そこへトントン、ノックの音。
慌てて、顔拭き、まあだだよ。
顔を出したのは、なんてこと。
いつものあの子がやってきた。
練習したばかりの、あの言葉。
今こそ、絶対伝えなきゃ。
でもね。だめな子、ひねくれ子。
ごめんなさいが言えなくて。
結局、悪口、にくまれ口。
あらら、魔法が解けました。
ところがあの子が開いた本。
しおりがあるのは、あの魔法。
なんてこった。大失敗!
なのにあの子は知らん顔。
閉じて戻して、近付いて。
背中合わせに、ただ、座り。
何十分も黙りっこ。
やがてあの子が言うのには。
今夜は満月、綺麗だね。
思わず見上げた夜空には、傾きつつあるお月様。
今日も朝から授業です。
思わずぽろりと、ごめんなさい。
あららあの子は、魔法使い。
煮鍋も呪文も使わずに、
引き出すほんとの、わたしの心。
そんなわたしも、魔法使い。
魔方陣も薬も使わずに、
引き出すあの子の、優しい笑顔。
あなたの願いを叶えましょう。
ここにあるのは魔法の薬。
ごめんなさいが、言える魔法。
魔法のせいなら、仕方がない。
魔法の薬には、さからえない。
★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★
『ごめんなさいが言える薬』
●材料
蒸留水 適量
月桂樹の葉 1枚
桜の花 10枚くらい
タンポポの茎 2~3本
菜の花 1つ
藤の花 10枚くらい
ユキノシタの花 適量
アセラス(王の葉) 1枚
四葉のクローバー あれば1つ
●必要機材
鍋
コップなど(入り口が広くて、耐熱仕様のもの)
茶漉し
●手順
1★ 蒸留水を鍋にあけ、沸騰させる
2★ 月桂樹の葉をいれる
3★ 月桂樹が柔らかくなったら、他の材料もいれる
4★ 少し待ち、材料がほどよくほぐれて、水が少なくなってきたら、火を止めて、茶漉しを通して、コップに注ぎ、お湯だけをとる
5★ 魔方陣の上にコップを置き、呪文を唱える
(falsus animus extrico)
●結果
これってたぶん・・・。
単なるいい香りがするだけの水っていう気がするよ?
※ソレンティア2008年度 課題の再録※
ぐつぐつ泡吹く、お鍋にハラリ。
大きなお鍋は、いりません。
両手ですくった3杯の水、
ミルクパンで御用は充分。
ほわりとみどり、香るころ。
桜のはなびら、蒲公英の茎。
菜の花、藤に、雪ノ下。
隠し味には、アセラスを。
あれば四葉のクローバー。
ぐつぐつ泡吹く、お鍋をながめ、
砂時計をひっくり2回半。
コツは夜中に、ひとりきり。
眠れぬ月夜に、作ること。
火を止め、茶漉しでそそぎだす、
片手ですくえる、わずかなお薬。
お茶碗、お湯のみ、耐熱ビーカー。
あなたのお好みでけっこう。
さあさあ、お部屋に戻りましょう。
ゆげがほわほわ、香ります。
紙にえがいた、魔方陣。
呪文を4回、唱えましょう。
ファルスス・アニムス・エクストリコ。
ぷかりと現れ、みどりの妖精。
あなたを指差し、厳しい顔。
「あなたは、悪い子、いけない子。
悪いことを、しましたね」
妖精、妖精、聞いてください。
わたしは、約束を破りました。
わたしはあの子に、悲しい顔をさせました。
わたしは、悪い子、いけない子。
妖精さらに、厳しい顔。
「そんなことじゃ、ありません。
言うべきことを、言ってません。
いまならあなたは、言えるはず。
あなたはだめな子、ひねくれ子。
だけど今なら、言えるはず」
ここにあるのは、魔法の薬。
ごめんなさいが、言える魔法。
魔法のせいなら、仕方がない。
魔法の薬には、さからえない。
ごめんね、ごめんね、ごめんなさい。
ごめんなさいが言えなくて、
ありがとうもまた言えなくて。
ごめんね、ごめんね、ありがとう。
妖精、にこりと微笑んで、光になって消えちゃった。
後に残ったお薬は、泣き顔にだけ、効く薬。
そこへトントン、ノックの音。
慌てて、顔拭き、まあだだよ。
顔を出したのは、なんてこと。
いつものあの子がやってきた。
練習したばかりの、あの言葉。
今こそ、絶対伝えなきゃ。
でもね。だめな子、ひねくれ子。
ごめんなさいが言えなくて。
結局、悪口、にくまれ口。
あらら、魔法が解けました。
ところがあの子が開いた本。
しおりがあるのは、あの魔法。
なんてこった。大失敗!
なのにあの子は知らん顔。
閉じて戻して、近付いて。
背中合わせに、ただ、座り。
何十分も黙りっこ。
やがてあの子が言うのには。
今夜は満月、綺麗だね。
思わず見上げた夜空には、傾きつつあるお月様。
今日も朝から授業です。
思わずぽろりと、ごめんなさい。
あららあの子は、魔法使い。
煮鍋も呪文も使わずに、
引き出すほんとの、わたしの心。
そんなわたしも、魔法使い。
魔方陣も薬も使わずに、
引き出すあの子の、優しい笑顔。
あなたの願いを叶えましょう。
ここにあるのは魔法の薬。
ごめんなさいが、言える魔法。
魔法のせいなら、仕方がない。
魔法の薬には、さからえない。
★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★
『ごめんなさいが言える薬』
●材料
蒸留水 適量
月桂樹の葉 1枚
桜の花 10枚くらい
タンポポの茎 2~3本
菜の花 1つ
藤の花 10枚くらい
ユキノシタの花 適量
アセラス(王の葉) 1枚
四葉のクローバー あれば1つ
●必要機材
鍋
コップなど(入り口が広くて、耐熱仕様のもの)
茶漉し
●手順
1★ 蒸留水を鍋にあけ、沸騰させる
2★ 月桂樹の葉をいれる
3★ 月桂樹が柔らかくなったら、他の材料もいれる
4★ 少し待ち、材料がほどよくほぐれて、水が少なくなってきたら、火を止めて、茶漉しを通して、コップに注ぎ、お湯だけをとる
5★ 魔方陣の上にコップを置き、呪文を唱える
(falsus animus extrico)
●結果
これってたぶん・・・。
単なるいい香りがするだけの水っていう気がするよ?
※ソレンティア2008年度 課題の再録※
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このニホンという国は奇妙だ。
ベンチに腰掛けて絵里香を待ちながら、アクタイオンは思う。
何がって、道行く人の足音が一番おかしい。
誰ひとり戦士の足音をしていない。誰もが戦いを知らないお姫様やお殿様の足音だ。
そんなはずはない。誰もが守られる人ならば、どうやって国を維持するというのだ。
きっと、羽音がないからだ。羽音を聞けばもっと分かる筈。
ところが、この国のヒトには、翼が生えていない。
翼なしでどうやって飛ぶのだろうと聞いてみたら、機械の羽を使うのだそうだ。
本当に、この国のヒトは奇妙だ。
それとも奇妙なのはアクタなのだろうか?
戦士は、国の運営に必ずしも必要なものではないのだろうか?
それを思うと、自分の根源を揺らされたような、居たたまれないような不安がアクタを襲う。
気分転換に羽づくろいでもしようと思ったら、羽がなかった。今は人間に化けているのだ。
ただひとつ、アクタを否定しないで、この現状を説明出来る事がある。
そう。ニホン人は、ニンジャの末裔なのだ。
一見、戦士が居ないように見えるが、それはニンジャがうまく一般人に擬態しているのだとすれば、納得出来る。
やはり、それが一番現実的な結論だ。アクタはひとつ頷いた。
ふと見れば、絵里香が青年達に囲まれている。
両手が塞がっている絵里香は振りはらう事も出来ず、困惑しているようだ。
ナンパにも見えるが、もしかしたら、ニンジャの攻撃かもしれない。
アクタは、勢いよく立ちあがった。
--------------------------------------------------------------
光夢ちゃん、リクエストありがとう!
というわけで、絵里香ちゃん視点での漫画と、アクタ視点でのSSという、
同じ場面なのに、全く意味の違うアレをどうぞ~。
いやーなんか、絵里香ちゃんって、こういう少女漫画的、ベタベタなシチュエーション好きそうだなって。
さて、お待ちかねのハルムトの色々を。
今回も長いよ!!!
ソレンティアを初めて、最も謎だったのが、機精<ヴェーダ>の存在です。
以下、公式設定(wikiより)
>魔法力によって偽りの命を宿した精霊たちの世界。魔法テクノロジーは、4つの世界で最も進んでいる。
>数百年前までは他種族の支配下にあったが、知能を得た機精人(ヴェーダ)たちが独自の発展を遂げて 他種族を滅ぼし 、今は彼らが支配する世界となっている。
>社会的なヒエラルキーがはっきりと分かれており、上位のヴェーダが下位のヴェーダを奴隷のように酷使している。
>機精人たちの望みは、他の三つの種族のように「命」と呼べるものを手に入れること。つまり命の創造。魔法力とテクノロジーを利用した禁断の研究を進めている、とされる。
>機精人は生殖によって生まれるのではなく、錬金術によって誕生する。
>錬金術を用いて〈創り出す〉という意味においては、フォウス、ナノス、バグスともに同様であり、それ以外の方法で機精人が誕生することはない。
なんとなくどっかで聞いたような、それでいて大分オリジナルも入ってるような。
「こういうの」っていう具体的な形があるのに、妙に伏せられてるような設定です。
なので、最初は出来るだけ触らないように遠巻きに見てました。
ただ、その内、これはなかなか面白い種族なのではないか。
特に被支配階級である、ナノス・ヴェーダが面白い! ……ということで、作成したのが、「ハルムト」です。
名前は過去のオリジナルキャラから適当につけました。
「ハールムート」っていう、金髪黒肌ショタっ子でしたが、直接的間接的な関係はありませんぬ。自分の中では音がたまたま同じで、意味とスペルが違うっていう認識です。ファンタジーだけど。
せっかく機精なんだから、ナンバーとか付けよう!と、本名はHALMT322ということに。
ナンバーは絶対忘れる確信があったので、かりょの誕生日4/22からひと月へらした、3/22に。これなら忘れない!
人造人間なんだから、用途がなきゃねーということで、完支援のPCかりょと対比させて、「戦闘用」ということにしました。
複数キャラ使用が出来るゲームは、パーティ組んで戦えるようにするのがマイジャスティスです。
……だが、このノリで付けた用途で、後で苦しむ事になろうとは、このときの私は思ってもみなかったのでした……。
詳細スペックは大分忘れてますがこんな感じ。
・戦闘用ナノス
・戦闘用専門のナノス制作会社「ディアナセイ」製。
「本能型(ハルムト)」「知性型(ラヴェイ)」「感性型(テュア)」の3種のナノスが主力。それぞれはオリジナルをベースとして製造されている。
・オリジナルハルムト(スピード型のハルムト322と違い、パワー型なので体格が大きい。よって、ディアナは「大きいハルムト」「小さいハルムト」と呼ぶ)には魔法能力がない。ハルムトは一旦出荷されたが、出戻った上に魔法能力が発現したイレギュラー。
・感情の起伏はあまりない。
・顔だちはランダム生成なので、個性がある。ただし、表情筋が少ない上に、表情によるコミュニケーションの重要性を理解できていないので、ほぼ常に無表情。
・飛行パーツと適正あり。思考・全体の調整も、飛行用にデザインされている。ナノスとしてはそんなに大きくはない。ただし、金属パーツが多いので、体重は100kgを超える。それでどうやって飛ぶかって? ふっ、未来の魔法パゥワーである。
・銃器がメインウェポン。実弾銃・エネルギー銃両方使える。
・ロボット三原則に従うが、戦闘用なので、多少の融通は利く。
・フォウス様大好き、フォウス様命、フォウス様に死ねと言われたら死ねる。
・これから取る行動が、フォウスに致命的な傷害を負わせると判断された場合、先回りで全行動がシャットダウンされ、停止する(この会社の全てのナノスにこの仕組みが入っている)
・先制攻撃が許されていない。どんな相手からも、一発食らってからでないと攻撃が出来ない。(ただし、一発くらえば反撃可能)
・魔法は属性攻撃に特化。炎・氷生成は得意。反面、支援や回復は苦手。
・周囲の魔法エネルギーを取り込むか、エネルギーパックで栄養補給する。固形の食事は不要。要人警護などの為、トイレに行かなくていい仕様になっている。熱さ・寒さにも強く、呼吸もしていない。体温も必要ないが、排熱でほんのり暖かい。
で。
PCかりょと同じく、全く交流する気がなかったので、最初は、0と1だけで日記を書いたりしてました。
日記の冒頭に経過日数を書いてたのも最初はノリでしたが、後から重要な伏線に。
他種族とは一定の距離を置いて慇懃無礼に、ナノスとは普通に、上位種族のフォウスにはドM犬として接していました。この辺り、めちゃ楽しかったです!
で、そうして行く内に、ふと気付いてしまったんですよ。
あれ、この「戦闘用ナノス」って……。世界統一済の未来の法治国家で、要らなくね?って。
ハルムトも自分の存在意義に悩んでましたが、後ろの私もお前の存在意義付けに悩んでましたよ……!
最終的には、「制作者が変人」「神殺しの剣」でまとめましたが!
ハルムトをやってて面白かったのが、「公式設定に忠実ですごいね!」って言われること。
なんというか……うん……これほど戸惑う褒め言葉ってなかなかないと思うのですが、どうでしょ。
現代日本から見て、確かに機精界の階級社会は異常ですよ。下位階級を軽蔑し虐げる上位階級も、それに甘んじる下位階級も。でも、その世界から来た人には、それが普通だしそれで幸せであって、異常なのは他の世界なんですね。
ところが、「本当の幸せってそうじゃないよ」「目を覚まして。間違えてるよ」って教えてくれるPCのなんと多い事でしょうか。PCレベルでは余計なお世話ですし、PLレベルでは「うん、せやな……でもこれRPなんよ」です(ノ▽<*)
この辺、かりょでも感じていましたが、ハルムトでは余計にでしたね。
「ナノスを自分と同じように扱うフォウス」とか、「フォウスを敬わないナノス」とか、いや、学園内ではむしろ人気者でしょうが、機精界に戻ったらどうするです? 変人ですよ? ちゃんとそのキャラのこれまでの20年と、これからの100年考えてキャラメイクしてる??って。
……ただ、人狼RP村をやるようになって、「世の中にはRPがとことん出来ない人が居る」というのが理解できて、なんか色々納得出来ました。
どっちがいいと言うつもりないです。だって、存在しない「魔法学園の外での整合性」よりも、現在進行形の「魔法学園内での交流のしやすさ」の方が大事ってのも間違いじゃないので。この辺、PLの好みかと。
ナノスをやってると、PLのエゴが見えてくるのは面白かったですね。
あれなんですよ。ハルムトの異常を認める事は、「自分を否定する事になる」んですね。
なので、多くの人は「自分と同じになれ」と言ってくる。面白いです。
自分の状態が最高で、幸せだから一緒に幸せになろうとしてくれてると思うんですよ。でも、現状で幸せなハルムトには、不幸な人が一緒に不幸に引きずり込もうとしてるようにしか見えません。
なんといいますか、そう言う人たちって、すごく愛おしい。視界はせまい。狭いと思うのですが、酷く優しくて残酷で、いとおしい。
幸せってなんだろう、って考えさせられる経験でした。
はい。
そう言う訳で、ハルムトメインストーリー&最終イベントはこんな感じでした。
・従属種族であるナノスは、フォウスに望まれなければ生まれない、必要とされなければ生きていけない
→よって、生きているだけで望まれてるし、必要とされてる!! 超人生楽しい!! 状態。
・コミュニケーション能力不足を指摘される。 →戦闘領域を少し削り、知性と感性を追加。
・バグス3体派遣 →もっと魔法の勉強と戦闘、頑張ろう!
・給料が減る →良く分からないけど、まだ頑張りがたりないようだ。もっとがんばろう! →実際は制作会社の経営悪化
・バグスたちの秘密の相談 →ハルムトが三周目であることがPL視点開示。一周目二周目は自壊(自殺)して終了していた
・バグス3体の内、防御型(=本能型のハルムトに対応)の一体が全損。ハルムトは、自分がショックが受けて居る事が理解できない。
→フォウス様の後押しを受けて、破損したバグスを廃棄。
・戦闘で破損する事は、戦闘用の下位種族として当然である、と考えつつも、それは何故か?を思い悩む。
・ハルムトは知らなかったが、実は制作会社の経営悪化は、ディアナセイ社製ナノス「感性型テュア」がマスターのフォウスを殺害したからであった。
で、最終イベント
--------------------------------------
<その1>
・全員が武装すれば、武装平和になるんじゃない?と主張。
→ここでの反論は全て、後に「ハルムト不要論」につなげる為の罠日記。
<その2>
・戦闘用ナノスが、一番フォウス様にとって危険であり、要らないと思ったので、自壊することにしました!
→きっと皆止めてくれると思ったよ!!(爽
<おまけ>
(周囲の学生たちから、手にした銃の方に視線を向けてしばし。
しばらく腕を上げっぱなしだった疲労など全く感じさせない動きで手首を返した。
銃を下ろしながら安全装置をかけ、ホルスターへ仕舞う)
(足りないおつむを、1年分くらいフルで動かしたら、魔力の蓄積量が目に見えて減って来たので、魔力収集モードに切り替える。
まるで呼吸のように息を一つ吸って、空を仰いだら)
(不思議なほどに青くて明るくて)
……世界に対して、私は無力で無価値なのですね。
(誰もがとっくに気付いている事に、やっと今気付いた)
変革は困難で、戦いは無謀で、答えは誰も知らないのですね。
(もっと若い内に諦めてしまう事を、やっと思い知った。そして)
でも、
今の私は一人じゃないようです。
(十何年物のコアに、3年物のボディ、そして百七十九日分の記憶データ。
アンバランスな存在に、やっと釣り合いが取れて)
俺とこれからも友人で居てくれますか。
(自己をあらわしてした「i」を、「I」に変更するだけの小さな変化。
他言語では違う風に翻訳されるかもだけど)
-------------------------------------------
実はハルムトには3つのエンディングを用意していました。
1)機精ED
誇りを持って自壊するのは、フォウスの役にたつナノスであろう、と思うハルムトにとってハッピーエンドです。ただし、周囲の人にとっては違うと思います。自分だけが幸せなメリーバッドエンドかな。
2)ヒトED
まあ、9割9分ここに行くと思って居ました。
「ナノス」である事より、「ヒト」としての生き方を選ぶEDです。ハルムトにとってはとても辛いバッドエンドです。ただし、周囲の人にとってはハッピーエンドです。
とはいえ、これからの学園生活によっては、ハルムトもハッピーになりえるでしょう。エンド、というより、第二シーズンに続く終わり方だと思います。
3)天使ED
「フラグ」が立った場合に進む隠しEDです。ただし、ソレンティア内でフラグ回収はほぼ絶望的なので、到達出来ないEDという、私だけがニヤニヤするための隠し設定でしたw
フラグは、別イベント「氷結の魔女かりょ(赤石)に会う」を起こす事です。
治癒幻惑魔女かりょ(ソレンティアかりょ)は、転生を否定しているので、転生がある、と言われた時に、それがないことを証明する為に幻薬を飲むのですが、この時に前世の氷結魔女かりょが出てくるっていうね。
とすると、ハルムト側にも前世のヴァーチャーズの意識が蘇るという、割とファンタジーな設定でした。
ちなみにこれだと、かりょの方のハッピーエンドフラグも立つのですが、結局使わず仕舞いでしたね。まあ、そんなものです。
ヒトEDについてもう少し解説を。
一人称が「私」→「俺」に変わるネタはずーっと温めてまして、最後の最後でやっと使えましたわー。
一周目、二周目のハルムトには友達が居なかったのです。友達を得て、新しい価値観と関係を得て、己の卑小さを思い知った時、ナノスとしてのベストを選ぶ事が出来なくなってしまった。
これからのハルムトは、従属するのが幸せ、とは思わないでしょう。自分で決断し、選択するのは、恐ろしくて苦しい事でしょう。ナノスであるから、除外されていた苦痛です。しなくて良かった苦労です。
幸せかどうかっていったら、めちゃくちゃ不幸ですよ! 前世でもずっと苦労してきて、今回ナノスとして生まれる事で感情を失って、やっと手に入れた幸福・平和を、またも手放す事になるので。
ただ、そっちの道へ導いた友人達をハルムトは信じた。
ナノスの幸福を捨て、友人達の幸福を認めた。
この日記で散々書いてきた、私が重視する「学園外の整合性」や「公式設定」を、ハルムトが裏切り否定する形ですね。
PCに全否定されるPLってなかなかないですよね。なかなか良い経験でした。
最後に、学園終了6時間前?くらいに落としたエピローグを再掲載。
24時終了だと思ってたら、まさかの12時終了で、読んでいらっしゃらない方もいそうですので。
-----------------------------------------
部屋に戻ったら、侵入者がいた。
「や、小さいハルムト。私が誰か分かるかい?」
と彼女は片手を上げて言った。
「わが社ディアナセイの創設者ディアナ様と判断します。
お会いできて光栄です」
90度でお辞儀をしたら、
「まあ気楽にしなよ」
と笑われた。
「何か聞きたい事は?」
ハルムトのベッドに踏ん反り返ってる彼女に、
「山ほどあります」
と答えつつ、ハルムトは床に正座する。
生憎とこの部屋に、茶なんていう気の利いた物は無いし、ハルムトにもそんな発想は無かった。
「俺は何故作られたのですか?」
「おや、最初がそれなの。わが社のホームページに書いてあるじゃない」
「安全で忠実な戦闘用ナノス」
「そうそう」
「貴方は何の為に、俺達を作ったのですか?」
茶化すディアナに、重ねて聞く。
彼女は笑みを深くし、身を乗り出して言う。
「鍛冶屋なら、誰でも一度は夢見る事さ。
『神殺しの剣』
つまり……フォウスを殺せるナノスを作りたかった」
流石に直ぐには返答出来なかった。
「……出来ません」
「そうかね」
「不可能です」
「そうかね」
「原則・倫理・思考の三重の安全装置が」
「そうだね」
彼女は楽しげに両腕を伸ばす。
「小さいハルムト。
ロボットの多くは三原則に縛られるけれど、お前らも例外じゃない。
戦闘用であるから、先回りシャットダウンの安全装置を埋めてある。
そして、生体特にフォウスに対して攻撃する事を忌避するように思考が組まれてる」
「はい」
「でも、ついにやってくれた奴が居るんだ」
その意味を考えて。
「……それはマズイのでは」
「そうマズイ。最近わが社の業績が落ちてるのも、お前に対する仕送りが渋くなったのもそれが原因だ。
このままなら倒産だな」
「……何故そんな事に」
倒産と口にしながらも、ディアナは嬉しそうだ。
「やったのはテュア型さ。感性特化支援機だ。
戦闘機のハルムト型じゃなかった。まあそうだね。お前たちはいつもマスターより先に壊れるからね」
「……」
「毒を盛ったのさ。マスターがね、えらく働き者で。全然休みを取らずにさ。
でも、風邪を引いたたった一日だけちゃんと休んだ。
テュアは考えたのだね。可逆範囲分だけ体を悪くしたら、かえって体を休めてくれるだろうと」
「……」
「そして、失敗した」
返答出来なかった。
ハルムトシリーズではないとしても、同社の連動型のナノスが、フォウスを、殺した。
衝撃だった。
その事にも、それで制作者が楽しそうなのにも。
「アイザック・アシモフが好きなんだ」
彼女は突然別の事を言いだした。
「ロボット三原則もそうだし、お前たちが三位一体なのも、ある作品をヒントにしてある。
でもね、本当は「本能・知性・感性」じゃなくて、「親性・知性・感性」で三位一体なんだ」
「親性」
「そ。
だけど、ナノスに親性は変だって、セイが言うもんで、そこを「本能」に変えた。……でもね、違うと思うんだよ」
「……」
「今回も、自己破壊をしかけたんだって?」
「はい」
次々変わる話題に、ついていくのがやっとだ。
「自己破壊する本能なんて、どこにあると云うんだ。
自分を壊してでも、誰かを守る。それこそ「親性」と言わずになんと呼ぶ。
ああ、お前たちじゃ無理だった。
「親性」機がフォウスを殺す事は出来ない。「知性」もまた然り。
神殺しの剣に成りえたのは「感情」だった」
楽しそうに語る彼女を、ハルムトは無言で見上げる。
「だからね、お前はもうイラナイ。
私の望みは叶った。私は商売人であるより先に、職人だからね。
ナノス制作はもうやめる。会社は畳む」
ハルムトはじっと彼女を見上げる。
たった数日前にそれを言われていれば、それじゃあと自己破壊したろうけれど。
「俺を売れば業績が戻るとまでは言えなくとも、まとまった資金にはなるはずですが」
「正直ちょっと考えたけどね」
「よろしいのですか」
今は「イラナイ」が違う意味に聞こえる。
「俺は俺自身をマスターに設定しても、よろしいのですか」
「うん」
彼女は頷いて、満足そうに笑った。
-------------ハルムト 全エピソード END----------------
今回も長いよ!!!
ソレンティアを初めて、最も謎だったのが、機精<ヴェーダ>の存在です。
以下、公式設定(wikiより)
>魔法力によって偽りの命を宿した精霊たちの世界。魔法テクノロジーは、4つの世界で最も進んでいる。
>数百年前までは他種族の支配下にあったが、知能を得た機精人(ヴェーダ)たちが独自の発展を遂げて 他種族を滅ぼし 、今は彼らが支配する世界となっている。
>社会的なヒエラルキーがはっきりと分かれており、上位のヴェーダが下位のヴェーダを奴隷のように酷使している。
>機精人たちの望みは、他の三つの種族のように「命」と呼べるものを手に入れること。つまり命の創造。魔法力とテクノロジーを利用した禁断の研究を進めている、とされる。
>機精人は生殖によって生まれるのではなく、錬金術によって誕生する。
>錬金術を用いて〈創り出す〉という意味においては、フォウス、ナノス、バグスともに同様であり、それ以外の方法で機精人が誕生することはない。
なんとなくどっかで聞いたような、それでいて大分オリジナルも入ってるような。
「こういうの」っていう具体的な形があるのに、妙に伏せられてるような設定です。
なので、最初は出来るだけ触らないように遠巻きに見てました。
ただ、その内、これはなかなか面白い種族なのではないか。
特に被支配階級である、ナノス・ヴェーダが面白い! ……ということで、作成したのが、「ハルムト」です。
名前は過去のオリジナルキャラから適当につけました。
「ハールムート」っていう、金髪黒肌ショタっ子でしたが、直接的間接的な関係はありませんぬ。自分の中では音がたまたま同じで、意味とスペルが違うっていう認識です。ファンタジーだけど。
せっかく機精なんだから、ナンバーとか付けよう!と、本名はHALMT322ということに。
ナンバーは絶対忘れる確信があったので、かりょの誕生日4/22からひと月へらした、3/22に。これなら忘れない!
人造人間なんだから、用途がなきゃねーということで、完支援のPCかりょと対比させて、「戦闘用」ということにしました。
複数キャラ使用が出来るゲームは、パーティ組んで戦えるようにするのがマイジャスティスです。
……だが、このノリで付けた用途で、後で苦しむ事になろうとは、このときの私は思ってもみなかったのでした……。
詳細スペックは大分忘れてますがこんな感じ。
・戦闘用ナノス
・戦闘用専門のナノス制作会社「ディアナセイ」製。
「本能型(ハルムト)」「知性型(ラヴェイ)」「感性型(テュア)」の3種のナノスが主力。それぞれはオリジナルをベースとして製造されている。
・オリジナルハルムト(スピード型のハルムト322と違い、パワー型なので体格が大きい。よって、ディアナは「大きいハルムト」「小さいハルムト」と呼ぶ)には魔法能力がない。ハルムトは一旦出荷されたが、出戻った上に魔法能力が発現したイレギュラー。
・感情の起伏はあまりない。
・顔だちはランダム生成なので、個性がある。ただし、表情筋が少ない上に、表情によるコミュニケーションの重要性を理解できていないので、ほぼ常に無表情。
・飛行パーツと適正あり。思考・全体の調整も、飛行用にデザインされている。ナノスとしてはそんなに大きくはない。ただし、金属パーツが多いので、体重は100kgを超える。それでどうやって飛ぶかって? ふっ、未来の魔法パゥワーである。
・銃器がメインウェポン。実弾銃・エネルギー銃両方使える。
・ロボット三原則に従うが、戦闘用なので、多少の融通は利く。
・フォウス様大好き、フォウス様命、フォウス様に死ねと言われたら死ねる。
・これから取る行動が、フォウスに致命的な傷害を負わせると判断された場合、先回りで全行動がシャットダウンされ、停止する(この会社の全てのナノスにこの仕組みが入っている)
・先制攻撃が許されていない。どんな相手からも、一発食らってからでないと攻撃が出来ない。(ただし、一発くらえば反撃可能)
・魔法は属性攻撃に特化。炎・氷生成は得意。反面、支援や回復は苦手。
・周囲の魔法エネルギーを取り込むか、エネルギーパックで栄養補給する。固形の食事は不要。要人警護などの為、トイレに行かなくていい仕様になっている。熱さ・寒さにも強く、呼吸もしていない。体温も必要ないが、排熱でほんのり暖かい。
で。
PCかりょと同じく、全く交流する気がなかったので、最初は、0と1だけで日記を書いたりしてました。
日記の冒頭に経過日数を書いてたのも最初はノリでしたが、後から重要な伏線に。
他種族とは一定の距離を置いて慇懃無礼に、ナノスとは普通に、上位種族のフォウスにはドM犬として接していました。この辺り、めちゃ楽しかったです!
で、そうして行く内に、ふと気付いてしまったんですよ。
あれ、この「戦闘用ナノス」って……。世界統一済の未来の法治国家で、要らなくね?って。
ハルムトも自分の存在意義に悩んでましたが、後ろの私もお前の存在意義付けに悩んでましたよ……!
最終的には、「制作者が変人」「神殺しの剣」でまとめましたが!
ハルムトをやってて面白かったのが、「公式設定に忠実ですごいね!」って言われること。
なんというか……うん……これほど戸惑う褒め言葉ってなかなかないと思うのですが、どうでしょ。
現代日本から見て、確かに機精界の階級社会は異常ですよ。下位階級を軽蔑し虐げる上位階級も、それに甘んじる下位階級も。でも、その世界から来た人には、それが普通だしそれで幸せであって、異常なのは他の世界なんですね。
ところが、「本当の幸せってそうじゃないよ」「目を覚まして。間違えてるよ」って教えてくれるPCのなんと多い事でしょうか。PCレベルでは余計なお世話ですし、PLレベルでは「うん、せやな……でもこれRPなんよ」です(ノ▽<*)
この辺、かりょでも感じていましたが、ハルムトでは余計にでしたね。
「ナノスを自分と同じように扱うフォウス」とか、「フォウスを敬わないナノス」とか、いや、学園内ではむしろ人気者でしょうが、機精界に戻ったらどうするです? 変人ですよ? ちゃんとそのキャラのこれまでの20年と、これからの100年考えてキャラメイクしてる??って。
……ただ、人狼RP村をやるようになって、「世の中にはRPがとことん出来ない人が居る」というのが理解できて、なんか色々納得出来ました。
どっちがいいと言うつもりないです。だって、存在しない「魔法学園の外での整合性」よりも、現在進行形の「魔法学園内での交流のしやすさ」の方が大事ってのも間違いじゃないので。この辺、PLの好みかと。
ナノスをやってると、PLのエゴが見えてくるのは面白かったですね。
あれなんですよ。ハルムトの異常を認める事は、「自分を否定する事になる」んですね。
なので、多くの人は「自分と同じになれ」と言ってくる。面白いです。
自分の状態が最高で、幸せだから一緒に幸せになろうとしてくれてると思うんですよ。でも、現状で幸せなハルムトには、不幸な人が一緒に不幸に引きずり込もうとしてるようにしか見えません。
なんといいますか、そう言う人たちって、すごく愛おしい。視界はせまい。狭いと思うのですが、酷く優しくて残酷で、いとおしい。
幸せってなんだろう、って考えさせられる経験でした。
はい。
そう言う訳で、ハルムトメインストーリー&最終イベントはこんな感じでした。
・従属種族であるナノスは、フォウスに望まれなければ生まれない、必要とされなければ生きていけない
→よって、生きているだけで望まれてるし、必要とされてる!! 超人生楽しい!! 状態。
・コミュニケーション能力不足を指摘される。 →戦闘領域を少し削り、知性と感性を追加。
・バグス3体派遣 →もっと魔法の勉強と戦闘、頑張ろう!
・給料が減る →良く分からないけど、まだ頑張りがたりないようだ。もっとがんばろう! →実際は制作会社の経営悪化
・バグスたちの秘密の相談 →ハルムトが三周目であることがPL視点開示。一周目二周目は自壊(自殺)して終了していた
・バグス3体の内、防御型(=本能型のハルムトに対応)の一体が全損。ハルムトは、自分がショックが受けて居る事が理解できない。
→フォウス様の後押しを受けて、破損したバグスを廃棄。
・戦闘で破損する事は、戦闘用の下位種族として当然である、と考えつつも、それは何故か?を思い悩む。
・ハルムトは知らなかったが、実は制作会社の経営悪化は、ディアナセイ社製ナノス「感性型テュア」がマスターのフォウスを殺害したからであった。
で、最終イベント
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<その1>
・全員が武装すれば、武装平和になるんじゃない?と主張。
→ここでの反論は全て、後に「ハルムト不要論」につなげる為の罠日記。
<その2>
・戦闘用ナノスが、一番フォウス様にとって危険であり、要らないと思ったので、自壊することにしました!
→きっと皆止めてくれると思ったよ!!(爽
<おまけ>
(周囲の学生たちから、手にした銃の方に視線を向けてしばし。
しばらく腕を上げっぱなしだった疲労など全く感じさせない動きで手首を返した。
銃を下ろしながら安全装置をかけ、ホルスターへ仕舞う)
(足りないおつむを、1年分くらいフルで動かしたら、魔力の蓄積量が目に見えて減って来たので、魔力収集モードに切り替える。
まるで呼吸のように息を一つ吸って、空を仰いだら)
(不思議なほどに青くて明るくて)
……世界に対して、私は無力で無価値なのですね。
(誰もがとっくに気付いている事に、やっと今気付いた)
変革は困難で、戦いは無謀で、答えは誰も知らないのですね。
(もっと若い内に諦めてしまう事を、やっと思い知った。そして)
でも、
今の私は一人じゃないようです。
(十何年物のコアに、3年物のボディ、そして百七十九日分の記憶データ。
アンバランスな存在に、やっと釣り合いが取れて)
俺とこれからも友人で居てくれますか。
(自己をあらわしてした「i」を、「I」に変更するだけの小さな変化。
他言語では違う風に翻訳されるかもだけど)
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実はハルムトには3つのエンディングを用意していました。
1)機精ED
誇りを持って自壊するのは、フォウスの役にたつナノスであろう、と思うハルムトにとってハッピーエンドです。ただし、周囲の人にとっては違うと思います。自分だけが幸せなメリーバッドエンドかな。
2)ヒトED
まあ、9割9分ここに行くと思って居ました。
「ナノス」である事より、「ヒト」としての生き方を選ぶEDです。ハルムトにとってはとても辛いバッドエンドです。ただし、周囲の人にとってはハッピーエンドです。
とはいえ、これからの学園生活によっては、ハルムトもハッピーになりえるでしょう。エンド、というより、第二シーズンに続く終わり方だと思います。
3)天使ED
「フラグ」が立った場合に進む隠しEDです。ただし、ソレンティア内でフラグ回収はほぼ絶望的なので、到達出来ないEDという、私だけがニヤニヤするための隠し設定でしたw
フラグは、別イベント「氷結の魔女かりょ(赤石)に会う」を起こす事です。
治癒幻惑魔女かりょ(ソレンティアかりょ)は、転生を否定しているので、転生がある、と言われた時に、それがないことを証明する為に幻薬を飲むのですが、この時に前世の氷結魔女かりょが出てくるっていうね。
とすると、ハルムト側にも前世のヴァーチャーズの意識が蘇るという、割とファンタジーな設定でした。
ちなみにこれだと、かりょの方のハッピーエンドフラグも立つのですが、結局使わず仕舞いでしたね。まあ、そんなものです。
ヒトEDについてもう少し解説を。
一人称が「私」→「俺」に変わるネタはずーっと温めてまして、最後の最後でやっと使えましたわー。
一周目、二周目のハルムトには友達が居なかったのです。友達を得て、新しい価値観と関係を得て、己の卑小さを思い知った時、ナノスとしてのベストを選ぶ事が出来なくなってしまった。
これからのハルムトは、従属するのが幸せ、とは思わないでしょう。自分で決断し、選択するのは、恐ろしくて苦しい事でしょう。ナノスであるから、除外されていた苦痛です。しなくて良かった苦労です。
幸せかどうかっていったら、めちゃくちゃ不幸ですよ! 前世でもずっと苦労してきて、今回ナノスとして生まれる事で感情を失って、やっと手に入れた幸福・平和を、またも手放す事になるので。
ただ、そっちの道へ導いた友人達をハルムトは信じた。
ナノスの幸福を捨て、友人達の幸福を認めた。
この日記で散々書いてきた、私が重視する「学園外の整合性」や「公式設定」を、ハルムトが裏切り否定する形ですね。
PCに全否定されるPLってなかなかないですよね。なかなか良い経験でした。
最後に、学園終了6時間前?くらいに落としたエピローグを再掲載。
24時終了だと思ってたら、まさかの12時終了で、読んでいらっしゃらない方もいそうですので。
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部屋に戻ったら、侵入者がいた。
「や、小さいハルムト。私が誰か分かるかい?」
と彼女は片手を上げて言った。
「わが社ディアナセイの創設者ディアナ様と判断します。
お会いできて光栄です」
90度でお辞儀をしたら、
「まあ気楽にしなよ」
と笑われた。
「何か聞きたい事は?」
ハルムトのベッドに踏ん反り返ってる彼女に、
「山ほどあります」
と答えつつ、ハルムトは床に正座する。
生憎とこの部屋に、茶なんていう気の利いた物は無いし、ハルムトにもそんな発想は無かった。
「俺は何故作られたのですか?」
「おや、最初がそれなの。わが社のホームページに書いてあるじゃない」
「安全で忠実な戦闘用ナノス」
「そうそう」
「貴方は何の為に、俺達を作ったのですか?」
茶化すディアナに、重ねて聞く。
彼女は笑みを深くし、身を乗り出して言う。
「鍛冶屋なら、誰でも一度は夢見る事さ。
『神殺しの剣』
つまり……フォウスを殺せるナノスを作りたかった」
流石に直ぐには返答出来なかった。
「……出来ません」
「そうかね」
「不可能です」
「そうかね」
「原則・倫理・思考の三重の安全装置が」
「そうだね」
彼女は楽しげに両腕を伸ばす。
「小さいハルムト。
ロボットの多くは三原則に縛られるけれど、お前らも例外じゃない。
戦闘用であるから、先回りシャットダウンの安全装置を埋めてある。
そして、生体特にフォウスに対して攻撃する事を忌避するように思考が組まれてる」
「はい」
「でも、ついにやってくれた奴が居るんだ」
その意味を考えて。
「……それはマズイのでは」
「そうマズイ。最近わが社の業績が落ちてるのも、お前に対する仕送りが渋くなったのもそれが原因だ。
このままなら倒産だな」
「……何故そんな事に」
倒産と口にしながらも、ディアナは嬉しそうだ。
「やったのはテュア型さ。感性特化支援機だ。
戦闘機のハルムト型じゃなかった。まあそうだね。お前たちはいつもマスターより先に壊れるからね」
「……」
「毒を盛ったのさ。マスターがね、えらく働き者で。全然休みを取らずにさ。
でも、風邪を引いたたった一日だけちゃんと休んだ。
テュアは考えたのだね。可逆範囲分だけ体を悪くしたら、かえって体を休めてくれるだろうと」
「……」
「そして、失敗した」
返答出来なかった。
ハルムトシリーズではないとしても、同社の連動型のナノスが、フォウスを、殺した。
衝撃だった。
その事にも、それで制作者が楽しそうなのにも。
「アイザック・アシモフが好きなんだ」
彼女は突然別の事を言いだした。
「ロボット三原則もそうだし、お前たちが三位一体なのも、ある作品をヒントにしてある。
でもね、本当は「本能・知性・感性」じゃなくて、「親性・知性・感性」で三位一体なんだ」
「親性」
「そ。
だけど、ナノスに親性は変だって、セイが言うもんで、そこを「本能」に変えた。……でもね、違うと思うんだよ」
「……」
「今回も、自己破壊をしかけたんだって?」
「はい」
次々変わる話題に、ついていくのがやっとだ。
「自己破壊する本能なんて、どこにあると云うんだ。
自分を壊してでも、誰かを守る。それこそ「親性」と言わずになんと呼ぶ。
ああ、お前たちじゃ無理だった。
「親性」機がフォウスを殺す事は出来ない。「知性」もまた然り。
神殺しの剣に成りえたのは「感情」だった」
楽しそうに語る彼女を、ハルムトは無言で見上げる。
「だからね、お前はもうイラナイ。
私の望みは叶った。私は商売人であるより先に、職人だからね。
ナノス制作はもうやめる。会社は畳む」
ハルムトはじっと彼女を見上げる。
たった数日前にそれを言われていれば、それじゃあと自己破壊したろうけれど。
「俺を売れば業績が戻るとまでは言えなくとも、まとまった資金にはなるはずですが」
「正直ちょっと考えたけどね」
「よろしいのですか」
今は「イラナイ」が違う意味に聞こえる。
「俺は俺自身をマスターに設定しても、よろしいのですか」
「うん」
彼女は頷いて、満足そうに笑った。
-------------ハルムト 全エピソード END----------------
「予備校裏のアシッド爺さんが、使い魔をくれるんだって」
男の子のひとりが持ってきた情報に、教室内はざわめいた。
召還獣と違って、使い魔ならば、魔法使いになる前の子供でも、持つことが出来る。
とはいえ、やっぱり扱い方を間違えると大変なことになるわけで、魔法使いの卵の、更に卵でしかない予備校生たちは、持ってない子が大半だ。
親から引き継いだとか、生まれた時に従属していたとか、そういう特殊な使い魔以外は、誰か大人の魔法使いから、譲ってもらうしかないってわけ。
そういうわけで、すでに使い魔を持ってる子や、興味のない子を除いた、総勢10名ほどが、こぞって予備校の裏に行くことになった。もちろん、あたしも、その中のひとりだ。
※
魔法使い予備校は、ここ、魔法使いだけの村・ティモーレの、中心街にある。
ここで計画繁殖された魔法使い同士の子供たちは、ソレンティアに入学するためだけに、あらゆる教育を受ける。
最初は幼等部で、校則内の禁止事項と、一般常識や社会生活を叩き込まれる。次に中等部で、語学、数学、歴史、生物などを勉強する。
そして、12歳を過ぎて、ソレンティアからの招待状を受け取れば、魔法使い予備校への入学が可能になる。そこでは、ソレンティアの仕組みや、各学科の知識や、他の世界の種族や生活を学ぶ。
14歳のあたしは、予備校の3年生。次の春に15歳になれば、特定の師匠について、更に一年を予備勉学に費やして、16歳の誕生日にソレンティアに入学する。それが、ティモーレでの普通の子供ってわけ。
でも、そのことを考えると、あたしの胸はざわついて落ち着かなくなる。あたしはうまく普通の子であれた。でも、そうじゃない子はどうしたらいい?
※
「よく来たね」
アシッド爺さんは、温厚な紳士で、会えばいつもニコニコしながら声をかけてくれる。時には飴やクッキーをくれることもある。予備校生の人気者だ。
ぞろぞろやってきた予備校生をやっぱりニコニコ見て、爺さんは一冊の黒い本を取り出した。
「全員にくれるわけじゃないでしょ?」
ちょっとマセた女の子が、爺さんに聞いた。
「もちろんだ。相性などもあるからね」
「どういう使い魔なの?」
男の子がせっかちに聞いた。
「これは異世界の魔王だ。私が若いころに、捕まえたのだけどね」
爺さんの言葉を聞いて、数人が及び腰になった。
「魔王だって? 悪魔なの? それは校則に違反してるよ」
ソレンティアの招待状が届く条件は、実は完全には解明されていない。
でも、届かない条件は、いくつか分かってる。悪魔崇拝や、破滅思想などがその代表格だ。だから、ティモーレでは、そういった思想を抱かないよう、乳幼児の段階から徹底的に教育される。
「大丈夫。魔王といっても、そう呼ばれていたというだけのものだよ。それほどの悪さを働いていたということだね。もう使い魔に下って、魔法使いに恭順を誓っているから、平気だよ」
「異世界ってどの世界なの? 人間界や機精界には、魔王っていないでしょ。じゃあ、妖精界?」
爺さんが前の質問に答えると、すぐさま別の子が質問した。
「さあ。どこだろうね。それは本人に聞いてみるのが早いと思うよ」
爺さんのとぼけた答えに、あたしたちは顔を見合わせた。
「この時点で、まだ欲しいと思っている子はどのくらいいるかね?」
魔王について聞いた子が、まず背を向けた。それからもう2人ほど。
だけど、あたしを含め、残った6人は逆に進み出た。
「悪魔じゃないんだったら、なんと呼ばれてようと、気にしないよ。むしろ、そのくらい不良なほうが面白いね」
「そう呼ばれるってことは、強いってことでしょ? 私、荒事は苦手だから、ちょうどいいわ」
「なんか格好いいから」
理由は様々でも、ちょっとヒネくれた子だっていうのは共通してる。
爺さんはうなづくと、あたしたちに黒い本を見せた。
「条件は、簡単だ。この者の名前を呼ぶこと。だけど……」
「だけど?」
拍子抜けするほど簡単な条件の後の接続詞に、緊張を抑えながら聞く。
「その名前は教えられない。そして、絶対に当てられないよ」
「当てることができたら?」
「この者の名を呼ぶことができた子が、この者の主人だ」
「ヒントは?」
「そうだねぇ……今までした話をよく思い出してみることかな」
あたしたちはそれぞれに顔を見合わせた。
ピンと来た子はまだ居ないみたい。それでも数撃ちゃ当たると思った子から進み出て、本に向けて呼びかけた。
「クウェンダ」
「ハーデス」
「カイア・ロー」
「ルシファー」
「閻魔」
古今東西はもちろん、別世界やはたまた創作の魔王の名前が並んだ。
しかし、本はどれ一つにも反応しなかった。
やがて、少し捻った呼びかけをする子が現れた。
「……サフラン。私の名前だよ」
「ソレンティア。……だめか」
そこで、あたしと同じくずっと黙っていた子が進み出た。魔法史研究科希望の男の子だ。
「ゼロ」
……これもダメだった。
「それは?」
「僕に似てるから」
良く分からない理論だった。
それからもう少し呼びかけが続いたけれど、正解は出なかった。
あたしは最後まで呼びかけなかった。彼らのどれも、何かが決定的に違う気がしていた。
「またいつでもおいで」
爺さんはそう言って、あたしたちを見送った。
あたしたちはそれぞれ思いふけりながら、帰途についた。
いつもは、友達の誰かと、話でもしながら帰るとこだけど、今は全員がライバル同士。自然と別々に帰宅することになった。
あたしは、帰って早々、とうさまの蔵書から、「使い魔名称百科」を借りて、めくってみたけど、すぐに飽きてしまった。
そもそも、手当たりしだいなんて、幻惑魔法使いのやり方じゃないよね。爺さんのヒントからまず推理しなきゃ。
それにしても、爺さんはいつヒントを出していたんだろう。
魔王? いや、それは思いつく限り試した。
魔法使いに恭順している? どの異世界かは本人に聞く?
そんなのが、どうヒントになるんだか。
すっかり手詰まりになったあたしは、居間で何か書き物をしていたとうさまに声をかけた。
「とうさま。あのね、魔王の名前ってなあに?」
「どの魔王だ?」
あたしは答えに詰まった。だって、あたしにだって、どの魔王だか分からないんだもん。だもんで、あたしは爺さんと使い魔の話を最初から、できるだけ爺さんが言ったそのままの言葉で話した。
「そういうわけなの。とうさま、分かる?」
「分かったが、分からない」
「えーっ!」
とうさまがあっさり言っちゃったので、あたしは飛び上がった。
「ほんと? 教えて!」
「アシッドは、誰か魔法使いに、答えを聞いていいと言っていたか?」
「うっ……」
とうさまはいつも、絶対に正解だけを教えてはくれない。その方があたしのためだって言うけど、まだるっこしいったら仕方がない。
その点、とうさまの兄で、あたしの実父であるウィーは、なんでもかんでもケロッと教えてくれる道楽者なんだけど。でも、残念ながらウィーは、数日前から仕事で出かけ中だ。
「じゃあ、爺さんが出したヒントが、どれなのかってことだけでも」
あたしが食い下がると、とうさまは少し黙った後、口を開いた。
「アシッドの出したヒントは、『絶対』だ」
「『絶対』?」
「そうだ。私は、『分かるが、分からない』と言った。私とアシッドの違いは何だ?」
とうさまってば、無茶を言ってくれるよ~。
引退間近のしなびたアシッド爺さんと、現役バリバリの格好いいとうさまじゃ、同じところのほうが、少ないに決まってる。
「爺さんは、『名前は教えられない』、『絶対にあてられない』って言ってた。……それから、『名前を呼んだ子が主人だ』って」
あたしが、とうさまの顔色をうかがいながらカマをかけると、とうさまは静かに首を横に振った。
「治癒幻惑魔法使いは、感情を出すものではない。出すことによって、利益を引き出せる場合を除いて」
「……だよね」
治癒幻惑魔法使いとして、とうさまは、1枚どころか、千とか万の単位で、あたしより上だ。いつだってこんな風に、さとされてばっかり。
あたしはがっかりして、本に目を落とした。
……ん、まてよ。
とうさまは治癒幻惑魔法使いだ。爺さんはなんだっけ?
異世界の者を使役……ってことは、召還魔法使い? 召還魔法なら、総合系か魔法史系だよね。魔王ってことは、召還ランクはある程度高いはずだから、魔法史系なのかも。
でも、ただ召還しただけなら、使い魔じゃなくて召還獣だから……。なにか材料を召還して、それで使い魔を作ったのかも。そしたら、近代魔法も入ってる?
爺さんが魔法史系なのは間違いないとして、魔法史魔法使いが『絶対』って言うのは、どういう時だろう?
治癒幻惑魔法使いは、ひとりでは完成していない魔法使いだ。治療をするのも、幻惑をするのも、相手が必要。それは、治癒幻惑魔法が、『人』に向かっているからだ。
では、魔法史魔法使いは? 彼らは、歴史を紐解き、古いものを証明し、新しいものを作り出す魔法使いだ。彼らが向かうのは、『事実』……。
『絶対』は、事実……??
「あーっ!!」
そこまで考えたところで、あたしは立ち上がった。
「そうか! そういうことだね!」
とうさまは、少し口元に笑みを浮かべた。……え、どうして?
それで、あたしはとうさまに誘導してもらって、答えを出しただけだ、ということに気づいた。
『治癒幻惑魔法使い』って言葉を、さりげなく言ったのはとうさまだ。そのおかげで、あたしはとうさまやあたしと、アシッド爺さんが違う魔法使いだということに気づいた。
会話の中にキーワードを隠し、相手を誘導する……まだ、あたしにはできない。
「アシッドが伝えたかったことが分かって、まだ使い魔が欲しいのなら、急いで行くといいだろう。名前は、道すがら、考えなさい」
あたしが、自分の未熟さにショゲていると、とうさまが声をかけてくれた。
「……うん! 魔王、きっと連れて帰ってくるから!」
とうさまの言葉に、あたしは気持ちを切り替え、翼をいっぱいに広げた。
※
黒くてふさふさとした毛とタテガミ。狼のような馬のような姿。額に見える真珠色のは、角だろうか。
「ゼロっていうんだ」
触れた指がすっかり隠れてしまうから、その毛は見た目より柔らかいらしい。
「おめでとう」
幻惑魔法使いは、悔しくても笑う。だからあたしは、全力で笑顔と賛辞を贈った。
「……ありがとう」
相手は、さっきの魔史科志望の男の子。一度はダメだったのに、やっぱりその名前にしたんだ。自分に似た存在がゼロって、どういう意味なんだろう。
彼は少し驚いたみたいだけど、あたしに笑顔を返して、魔王という二つ名の、黒い使い魔を撫でていた手を離した。そして、ゼロに声をかけると、連れて去っていった。
あたしが答えにたどり着くのは、遅すぎた。あたしが爺さんの家に戻ってきた時、そこには、すでに男の子と、本から解放された使い魔がいたんだ。
「本当に少しの差だったね」
アシッド爺さんがあたしの隣にやって来て、彼らを見送りながら言った。
「治癒幻惑科志望なら、充分だろう」
「でも、間に合わなかったよ。……爺さんはもしかして、あの子が最初に解くって分かってたの?」
「ああ。同じ学科の魔法使いは思考も行動も似る。答え方を見れば、誰がどの魔法使いを目指しているのか、見当はつく」
「とうさまが前言ってた事がある。暗号を作る人は、一番解いて欲しい者が、解きやすいように作るものだって……」
爺さんは、笑ってあたしを見た。
「でもね、もし君があの子より先にきたら、ちゃんと君に譲っていたよ」
「きっと先になんて来れない。治癒幻惑魔法使いにとっては、『絶対』はないものだし、それを使う時は相手を誘導する罠だもん。あるものをないって言って、ないものをあるように見せかける嘘つきの魔法使いには……、この問題、難しかったよ」
「ははは。嘘つき魔法使いか。それが幻惑魔法使いの価値だけどね。……それじゃあ、一応、聞いてみようか。君の出した答えとは、どういうことだね?」
あたしは、ゼロ達を見送っていた目を、爺さんに向けた。
「『絶対に、正解に当たらない』のは、『正解がない』からでしょ? この場合の正解とは『名前』。つまり、あの使い魔には、『名前がない』んだ。だから、『名前をあてることは、絶対にできない』……。つまり、『名前がない』存在の『名前を呼ぶ』ためには、『名前をつけ』ればいいんだ」
「そうだ」
爺さんは満足そうに笑った。
それから、あたしの頭を撫でて、こう言った。
「よくできたご褒美に、君に別の使い魔をあげよう。ただし、あの使い魔にはずっと劣るのだが」
「本当?!」
「ああ。こっちは、2匹組の使い魔で、やはり名前がないのだが」
あたしは、驚いて爺さんを見た。
「名前のない使い魔が、たまたま複数いるなんて、考えられない……。理由があるはずだよ。つまり、それが爺さんが使い魔を恭順させる方法なんじゃない? 名前を奪うことが」
爺さんは笑って答えなかった。そして、懐から大きくて薄い本と、小さくて厚い本を取り出した。
「さあ、名前を呼ぶといい」
「大きいのが『ソレアス』! 小さいのが『ルーナセス』!」
あたしは迷わず叫んだ。
本当は、そのどちらかを『魔王』のためにと、考えていた名前だったけど、両方を呼んだ。
本はホロホロと砂のようにくずれると、あたしの足元でうずまいた。よく見るとそれは全部文字だ。いろんな国の言葉で、いろんな単語をなしている。ぱっと読めるのは、ティモーレの言葉だけだけど。
それらの文字は、やがてひとつの姿をとった。ゼロとは段違いにみすぼらしくて小さい……、
「にゃんこ?」
白黒ハチワレと、黒のにゃんこは、ぶるるっと体を震わせると、ぺたりと座り込んだ。
「なんかしょぼーい使い魔ねぇ~。まあ、間つなぎにはいいかもだけど」
「なにこの失礼な青ニワトリ。最初の一言がそれなわけ? 最近の魔法使いは性格悪くなったもんだね」
黒猫ルーナセスが、口を開いた。
「喋った!?」
「我らは文字によって形作られる存在ゆえ。言葉は我らの得意とするところだ。……大変気が進まないが、以降はお前の使い魔として共にあることになる」
「なんか余計な一言聞こえた!!」
あたしが、ハチワレ猫ソレアスの尻尾を踏むと、やつはミギャッと鳴いて毛を逆立てた。本当に文字なんだろうか。どー見ても猫そのものだけど。
「大きくて薄い方を『論理』、小さくて厚い方を『言語』と呼んだりもする。抽象的な存在のため、主人の魔法使いの持つ能力を超える力をもつことはできないが。まあ、可愛がってやんなさい」
「名づけちゃったものは仕方ないしね。連れて帰ることにするよ」
「いちいち可愛げのないトリだね」
「可愛げのないにゃんこよりマシだと思うけど?」
あたしは、二匹の首ねっこを掴んだ。二匹はジタバタ暴れたけど、そんなことで放してやるかりょじゃない。
「アシッド爺さん、ありがとね」
あたしはにゃんこどもを両手にぶら下げて、爺さんにお礼を言った。
※
──で、あんたたち結局、どっから来たの?
──あったま悪いね。文字っていう正体分かってたらすぐフギャアアア!!
──で、どっから来たって?
──2次元だ。書きかけられたまま、完成されずに放置された物語。
その行き場をなくした文字と情熱が、我々の本来の姿だ。
(あの時からもう、5年以上たつんだよね)
──へえ。だからあんたたち、本に入ってたのね。
どんな物語?
──どこにでもあるような、陳腐な物語さ。
──勇者が魔王を倒す物語。ありふれて目に付かないような、読んでも忘れ去られてしまうような存在。
──そっか。そんじゃあ、あんたたちも『ゼロ』も、本来は一緒なんだ。
……あんたたちのほうが格下なだけで。
(確かにあの時は、ゼロがうらやましかった。でも、そんなのすでに忘れてしまっていたのに)
──主役かそうでないかの違いだ。
やつは、魔王が主役の物語だった。
──悪かったね。間つなぎで!
──ほーんと。さんざんっぱら勇者にやられるのが仕事の、脇役魔王だなんて、かっこわるーい! しょぼいクジ引いちゃったよ。しかも2匹も!
(あたしの使い魔でしょ。そのくらい分かりなさいよ。
……照れかくしでそう言ってただけだって。
本当は、ゼロよりあんたたちのほうが、ずっと大事になってたって)
──そりゃこっちが言いたいよ。なんだって、向こうでは千の領地を持ち、万の兵をしたがえてた僕らが、こんな猫の格好で、こんなトリに使われなきゃいけないのか。
──同感だ。
──くらぁ! 逃げるなぁぁ! そこへ座りなさいにゃんこども! シッポ持って回してやるんだから!!
(新しいペットの黒三日月は、黒い馬だけど、そんなのただの偶然。
……でも、かりょは気づいてなかったんだね。あんたたちがそんなにゼロのことを、気にしてただなんて。間つなぎだなんて、本気にしてただなんてこと)
──にゃんこにゃんこ言うな! せっかく名前が戻ったんだから、そっちで呼んでよね。
──名前?
──ああ。名前がないと確固たる己を、保てない。
おまえは酷い主人だが、それでもただの文字に戻るよりましだ。
──相変わらず一言余計だけど、そういうことなら、約束してあげるよ。
今後、あんたたちから絶対に、名前を取り上げたりしないって。
(……そんな事を思い出したんだ。
今、バラバラの文字のカタマリになって散らばった2匹の使い魔を見て。
「死」んでしまったチビ魔王達を見て)
------------------------------------------------------------------------------
ソレンティアのかりょメインストーリー、残ってないかなーってCDの山を探してたら、使い魔の話を発掘しました。
結構おきにいり。
男の子のひとりが持ってきた情報に、教室内はざわめいた。
召還獣と違って、使い魔ならば、魔法使いになる前の子供でも、持つことが出来る。
とはいえ、やっぱり扱い方を間違えると大変なことになるわけで、魔法使いの卵の、更に卵でしかない予備校生たちは、持ってない子が大半だ。
親から引き継いだとか、生まれた時に従属していたとか、そういう特殊な使い魔以外は、誰か大人の魔法使いから、譲ってもらうしかないってわけ。
そういうわけで、すでに使い魔を持ってる子や、興味のない子を除いた、総勢10名ほどが、こぞって予備校の裏に行くことになった。もちろん、あたしも、その中のひとりだ。
※
魔法使い予備校は、ここ、魔法使いだけの村・ティモーレの、中心街にある。
ここで計画繁殖された魔法使い同士の子供たちは、ソレンティアに入学するためだけに、あらゆる教育を受ける。
最初は幼等部で、校則内の禁止事項と、一般常識や社会生活を叩き込まれる。次に中等部で、語学、数学、歴史、生物などを勉強する。
そして、12歳を過ぎて、ソレンティアからの招待状を受け取れば、魔法使い予備校への入学が可能になる。そこでは、ソレンティアの仕組みや、各学科の知識や、他の世界の種族や生活を学ぶ。
14歳のあたしは、予備校の3年生。次の春に15歳になれば、特定の師匠について、更に一年を予備勉学に費やして、16歳の誕生日にソレンティアに入学する。それが、ティモーレでの普通の子供ってわけ。
でも、そのことを考えると、あたしの胸はざわついて落ち着かなくなる。あたしはうまく普通の子であれた。でも、そうじゃない子はどうしたらいい?
※
「よく来たね」
アシッド爺さんは、温厚な紳士で、会えばいつもニコニコしながら声をかけてくれる。時には飴やクッキーをくれることもある。予備校生の人気者だ。
ぞろぞろやってきた予備校生をやっぱりニコニコ見て、爺さんは一冊の黒い本を取り出した。
「全員にくれるわけじゃないでしょ?」
ちょっとマセた女の子が、爺さんに聞いた。
「もちろんだ。相性などもあるからね」
「どういう使い魔なの?」
男の子がせっかちに聞いた。
「これは異世界の魔王だ。私が若いころに、捕まえたのだけどね」
爺さんの言葉を聞いて、数人が及び腰になった。
「魔王だって? 悪魔なの? それは校則に違反してるよ」
ソレンティアの招待状が届く条件は、実は完全には解明されていない。
でも、届かない条件は、いくつか分かってる。悪魔崇拝や、破滅思想などがその代表格だ。だから、ティモーレでは、そういった思想を抱かないよう、乳幼児の段階から徹底的に教育される。
「大丈夫。魔王といっても、そう呼ばれていたというだけのものだよ。それほどの悪さを働いていたということだね。もう使い魔に下って、魔法使いに恭順を誓っているから、平気だよ」
「異世界ってどの世界なの? 人間界や機精界には、魔王っていないでしょ。じゃあ、妖精界?」
爺さんが前の質問に答えると、すぐさま別の子が質問した。
「さあ。どこだろうね。それは本人に聞いてみるのが早いと思うよ」
爺さんのとぼけた答えに、あたしたちは顔を見合わせた。
「この時点で、まだ欲しいと思っている子はどのくらいいるかね?」
魔王について聞いた子が、まず背を向けた。それからもう2人ほど。
だけど、あたしを含め、残った6人は逆に進み出た。
「悪魔じゃないんだったら、なんと呼ばれてようと、気にしないよ。むしろ、そのくらい不良なほうが面白いね」
「そう呼ばれるってことは、強いってことでしょ? 私、荒事は苦手だから、ちょうどいいわ」
「なんか格好いいから」
理由は様々でも、ちょっとヒネくれた子だっていうのは共通してる。
爺さんはうなづくと、あたしたちに黒い本を見せた。
「条件は、簡単だ。この者の名前を呼ぶこと。だけど……」
「だけど?」
拍子抜けするほど簡単な条件の後の接続詞に、緊張を抑えながら聞く。
「その名前は教えられない。そして、絶対に当てられないよ」
「当てることができたら?」
「この者の名を呼ぶことができた子が、この者の主人だ」
「ヒントは?」
「そうだねぇ……今までした話をよく思い出してみることかな」
あたしたちはそれぞれに顔を見合わせた。
ピンと来た子はまだ居ないみたい。それでも数撃ちゃ当たると思った子から進み出て、本に向けて呼びかけた。
「クウェンダ」
「ハーデス」
「カイア・ロー」
「ルシファー」
「閻魔」
古今東西はもちろん、別世界やはたまた創作の魔王の名前が並んだ。
しかし、本はどれ一つにも反応しなかった。
やがて、少し捻った呼びかけをする子が現れた。
「……サフラン。私の名前だよ」
「ソレンティア。……だめか」
そこで、あたしと同じくずっと黙っていた子が進み出た。魔法史研究科希望の男の子だ。
「ゼロ」
……これもダメだった。
「それは?」
「僕に似てるから」
良く分からない理論だった。
それからもう少し呼びかけが続いたけれど、正解は出なかった。
あたしは最後まで呼びかけなかった。彼らのどれも、何かが決定的に違う気がしていた。
「またいつでもおいで」
爺さんはそう言って、あたしたちを見送った。
あたしたちはそれぞれ思いふけりながら、帰途についた。
いつもは、友達の誰かと、話でもしながら帰るとこだけど、今は全員がライバル同士。自然と別々に帰宅することになった。
あたしは、帰って早々、とうさまの蔵書から、「使い魔名称百科」を借りて、めくってみたけど、すぐに飽きてしまった。
そもそも、手当たりしだいなんて、幻惑魔法使いのやり方じゃないよね。爺さんのヒントからまず推理しなきゃ。
それにしても、爺さんはいつヒントを出していたんだろう。
魔王? いや、それは思いつく限り試した。
魔法使いに恭順している? どの異世界かは本人に聞く?
そんなのが、どうヒントになるんだか。
すっかり手詰まりになったあたしは、居間で何か書き物をしていたとうさまに声をかけた。
「とうさま。あのね、魔王の名前ってなあに?」
「どの魔王だ?」
あたしは答えに詰まった。だって、あたしにだって、どの魔王だか分からないんだもん。だもんで、あたしは爺さんと使い魔の話を最初から、できるだけ爺さんが言ったそのままの言葉で話した。
「そういうわけなの。とうさま、分かる?」
「分かったが、分からない」
「えーっ!」
とうさまがあっさり言っちゃったので、あたしは飛び上がった。
「ほんと? 教えて!」
「アシッドは、誰か魔法使いに、答えを聞いていいと言っていたか?」
「うっ……」
とうさまはいつも、絶対に正解だけを教えてはくれない。その方があたしのためだって言うけど、まだるっこしいったら仕方がない。
その点、とうさまの兄で、あたしの実父であるウィーは、なんでもかんでもケロッと教えてくれる道楽者なんだけど。でも、残念ながらウィーは、数日前から仕事で出かけ中だ。
「じゃあ、爺さんが出したヒントが、どれなのかってことだけでも」
あたしが食い下がると、とうさまは少し黙った後、口を開いた。
「アシッドの出したヒントは、『絶対』だ」
「『絶対』?」
「そうだ。私は、『分かるが、分からない』と言った。私とアシッドの違いは何だ?」
とうさまってば、無茶を言ってくれるよ~。
引退間近のしなびたアシッド爺さんと、現役バリバリの格好いいとうさまじゃ、同じところのほうが、少ないに決まってる。
「爺さんは、『名前は教えられない』、『絶対にあてられない』って言ってた。……それから、『名前を呼んだ子が主人だ』って」
あたしが、とうさまの顔色をうかがいながらカマをかけると、とうさまは静かに首を横に振った。
「治癒幻惑魔法使いは、感情を出すものではない。出すことによって、利益を引き出せる場合を除いて」
「……だよね」
治癒幻惑魔法使いとして、とうさまは、1枚どころか、千とか万の単位で、あたしより上だ。いつだってこんな風に、さとされてばっかり。
あたしはがっかりして、本に目を落とした。
……ん、まてよ。
とうさまは治癒幻惑魔法使いだ。爺さんはなんだっけ?
異世界の者を使役……ってことは、召還魔法使い? 召還魔法なら、総合系か魔法史系だよね。魔王ってことは、召還ランクはある程度高いはずだから、魔法史系なのかも。
でも、ただ召還しただけなら、使い魔じゃなくて召還獣だから……。なにか材料を召還して、それで使い魔を作ったのかも。そしたら、近代魔法も入ってる?
爺さんが魔法史系なのは間違いないとして、魔法史魔法使いが『絶対』って言うのは、どういう時だろう?
治癒幻惑魔法使いは、ひとりでは完成していない魔法使いだ。治療をするのも、幻惑をするのも、相手が必要。それは、治癒幻惑魔法が、『人』に向かっているからだ。
では、魔法史魔法使いは? 彼らは、歴史を紐解き、古いものを証明し、新しいものを作り出す魔法使いだ。彼らが向かうのは、『事実』……。
『絶対』は、事実……??
「あーっ!!」
そこまで考えたところで、あたしは立ち上がった。
「そうか! そういうことだね!」
とうさまは、少し口元に笑みを浮かべた。……え、どうして?
それで、あたしはとうさまに誘導してもらって、答えを出しただけだ、ということに気づいた。
『治癒幻惑魔法使い』って言葉を、さりげなく言ったのはとうさまだ。そのおかげで、あたしはとうさまやあたしと、アシッド爺さんが違う魔法使いだということに気づいた。
会話の中にキーワードを隠し、相手を誘導する……まだ、あたしにはできない。
「アシッドが伝えたかったことが分かって、まだ使い魔が欲しいのなら、急いで行くといいだろう。名前は、道すがら、考えなさい」
あたしが、自分の未熟さにショゲていると、とうさまが声をかけてくれた。
「……うん! 魔王、きっと連れて帰ってくるから!」
とうさまの言葉に、あたしは気持ちを切り替え、翼をいっぱいに広げた。
※
黒くてふさふさとした毛とタテガミ。狼のような馬のような姿。額に見える真珠色のは、角だろうか。
「ゼロっていうんだ」
触れた指がすっかり隠れてしまうから、その毛は見た目より柔らかいらしい。
「おめでとう」
幻惑魔法使いは、悔しくても笑う。だからあたしは、全力で笑顔と賛辞を贈った。
「……ありがとう」
相手は、さっきの魔史科志望の男の子。一度はダメだったのに、やっぱりその名前にしたんだ。自分に似た存在がゼロって、どういう意味なんだろう。
彼は少し驚いたみたいだけど、あたしに笑顔を返して、魔王という二つ名の、黒い使い魔を撫でていた手を離した。そして、ゼロに声をかけると、連れて去っていった。
あたしが答えにたどり着くのは、遅すぎた。あたしが爺さんの家に戻ってきた時、そこには、すでに男の子と、本から解放された使い魔がいたんだ。
「本当に少しの差だったね」
アシッド爺さんがあたしの隣にやって来て、彼らを見送りながら言った。
「治癒幻惑科志望なら、充分だろう」
「でも、間に合わなかったよ。……爺さんはもしかして、あの子が最初に解くって分かってたの?」
「ああ。同じ学科の魔法使いは思考も行動も似る。答え方を見れば、誰がどの魔法使いを目指しているのか、見当はつく」
「とうさまが前言ってた事がある。暗号を作る人は、一番解いて欲しい者が、解きやすいように作るものだって……」
爺さんは、笑ってあたしを見た。
「でもね、もし君があの子より先にきたら、ちゃんと君に譲っていたよ」
「きっと先になんて来れない。治癒幻惑魔法使いにとっては、『絶対』はないものだし、それを使う時は相手を誘導する罠だもん。あるものをないって言って、ないものをあるように見せかける嘘つきの魔法使いには……、この問題、難しかったよ」
「ははは。嘘つき魔法使いか。それが幻惑魔法使いの価値だけどね。……それじゃあ、一応、聞いてみようか。君の出した答えとは、どういうことだね?」
あたしは、ゼロ達を見送っていた目を、爺さんに向けた。
「『絶対に、正解に当たらない』のは、『正解がない』からでしょ? この場合の正解とは『名前』。つまり、あの使い魔には、『名前がない』んだ。だから、『名前をあてることは、絶対にできない』……。つまり、『名前がない』存在の『名前を呼ぶ』ためには、『名前をつけ』ればいいんだ」
「そうだ」
爺さんは満足そうに笑った。
それから、あたしの頭を撫でて、こう言った。
「よくできたご褒美に、君に別の使い魔をあげよう。ただし、あの使い魔にはずっと劣るのだが」
「本当?!」
「ああ。こっちは、2匹組の使い魔で、やはり名前がないのだが」
あたしは、驚いて爺さんを見た。
「名前のない使い魔が、たまたま複数いるなんて、考えられない……。理由があるはずだよ。つまり、それが爺さんが使い魔を恭順させる方法なんじゃない? 名前を奪うことが」
爺さんは笑って答えなかった。そして、懐から大きくて薄い本と、小さくて厚い本を取り出した。
「さあ、名前を呼ぶといい」
「大きいのが『ソレアス』! 小さいのが『ルーナセス』!」
あたしは迷わず叫んだ。
本当は、そのどちらかを『魔王』のためにと、考えていた名前だったけど、両方を呼んだ。
本はホロホロと砂のようにくずれると、あたしの足元でうずまいた。よく見るとそれは全部文字だ。いろんな国の言葉で、いろんな単語をなしている。ぱっと読めるのは、ティモーレの言葉だけだけど。
それらの文字は、やがてひとつの姿をとった。ゼロとは段違いにみすぼらしくて小さい……、
「にゃんこ?」
白黒ハチワレと、黒のにゃんこは、ぶるるっと体を震わせると、ぺたりと座り込んだ。
「なんかしょぼーい使い魔ねぇ~。まあ、間つなぎにはいいかもだけど」
「なにこの失礼な青ニワトリ。最初の一言がそれなわけ? 最近の魔法使いは性格悪くなったもんだね」
黒猫ルーナセスが、口を開いた。
「喋った!?」
「我らは文字によって形作られる存在ゆえ。言葉は我らの得意とするところだ。……大変気が進まないが、以降はお前の使い魔として共にあることになる」
「なんか余計な一言聞こえた!!」
あたしが、ハチワレ猫ソレアスの尻尾を踏むと、やつはミギャッと鳴いて毛を逆立てた。本当に文字なんだろうか。どー見ても猫そのものだけど。
「大きくて薄い方を『論理』、小さくて厚い方を『言語』と呼んだりもする。抽象的な存在のため、主人の魔法使いの持つ能力を超える力をもつことはできないが。まあ、可愛がってやんなさい」
「名づけちゃったものは仕方ないしね。連れて帰ることにするよ」
「いちいち可愛げのないトリだね」
「可愛げのないにゃんこよりマシだと思うけど?」
あたしは、二匹の首ねっこを掴んだ。二匹はジタバタ暴れたけど、そんなことで放してやるかりょじゃない。
「アシッド爺さん、ありがとね」
あたしはにゃんこどもを両手にぶら下げて、爺さんにお礼を言った。
※
──で、あんたたち結局、どっから来たの?
──あったま悪いね。文字っていう正体分かってたらすぐフギャアアア!!
──で、どっから来たって?
──2次元だ。書きかけられたまま、完成されずに放置された物語。
その行き場をなくした文字と情熱が、我々の本来の姿だ。
(あの時からもう、5年以上たつんだよね)
──へえ。だからあんたたち、本に入ってたのね。
どんな物語?
──どこにでもあるような、陳腐な物語さ。
──勇者が魔王を倒す物語。ありふれて目に付かないような、読んでも忘れ去られてしまうような存在。
──そっか。そんじゃあ、あんたたちも『ゼロ』も、本来は一緒なんだ。
……あんたたちのほうが格下なだけで。
(確かにあの時は、ゼロがうらやましかった。でも、そんなのすでに忘れてしまっていたのに)
──主役かそうでないかの違いだ。
やつは、魔王が主役の物語だった。
──悪かったね。間つなぎで!
──ほーんと。さんざんっぱら勇者にやられるのが仕事の、脇役魔王だなんて、かっこわるーい! しょぼいクジ引いちゃったよ。しかも2匹も!
(あたしの使い魔でしょ。そのくらい分かりなさいよ。
……照れかくしでそう言ってただけだって。
本当は、ゼロよりあんたたちのほうが、ずっと大事になってたって)
──そりゃこっちが言いたいよ。なんだって、向こうでは千の領地を持ち、万の兵をしたがえてた僕らが、こんな猫の格好で、こんなトリに使われなきゃいけないのか。
──同感だ。
──くらぁ! 逃げるなぁぁ! そこへ座りなさいにゃんこども! シッポ持って回してやるんだから!!
(新しいペットの黒三日月は、黒い馬だけど、そんなのただの偶然。
……でも、かりょは気づいてなかったんだね。あんたたちがそんなにゼロのことを、気にしてただなんて。間つなぎだなんて、本気にしてただなんてこと)
──にゃんこにゃんこ言うな! せっかく名前が戻ったんだから、そっちで呼んでよね。
──名前?
──ああ。名前がないと確固たる己を、保てない。
おまえは酷い主人だが、それでもただの文字に戻るよりましだ。
──相変わらず一言余計だけど、そういうことなら、約束してあげるよ。
今後、あんたたちから絶対に、名前を取り上げたりしないって。
(……そんな事を思い出したんだ。
今、バラバラの文字のカタマリになって散らばった2匹の使い魔を見て。
「死」んでしまったチビ魔王達を見て)
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ソレンティアのかりょメインストーリー、残ってないかなーってCDの山を探してたら、使い魔の話を発掘しました。
結構おきにいり。
さて、大分空きましたが、前回の続きです。
赤石をやりつつ、さすがにMMO2種類同時進行は無理だなーと思ってた所に、
面白い物を見つけました。
それこそが、魔法学園なりきりSNSです。
MMOなら無理だけど、SNSなら出来るかもーというので、始めました。
お正月でした。年の初めから何やってるの私。
もちろんこれが、紅炎のソレンティアでした。
ソレンにおいてまず考えたのは、「如何に手を抜くか」ということ。
サブゲームなのですから、まあ当然ですね!
だもんで、アッピー→赤石と同じ事をしました。
赤石かりょからそのまんま、設定を引っ張って来るアレです。
こうして、「ティモーレ出身、魔法使いのかりょ」が生まれました。
サブキャラの運命として、傲慢で乱暴者で性悪です。
一人称はやっぱり「かりょ」、青髪青目です。
「気を使いたくないし、気を使われたくない」
が真っ先にあり、そこであのプロフが生まれました。
あの、怖いと噂だったアレですw
「君が死んでもかりょは笑う」
でもこれ、便利だったんですよ。
「全員と友達になろう」と思ってた私は、もう絶滅しました。
「全員と友達になれなくてもいいや」の方が、はるかに楽です。サブゲームですし。
このプロフ宣言の何が良いかって、
まず真っ先に、「君が死んでも」と「君が死んだら」の違いが分からない人を弾ける。
些細な誤解で傷つくような人は、まず話しかけてこないわけです。
いやあ、これは楽でした!
あのプロフ「怖いよ!」ってすごく言われましたけど(ノ▽<*) 外そうかともちょっと考えた事ありましたが、結局最後までつけてましたね。
正解だったと思います。
※
さて、キャラ設定としては、赤石の更に後の時代です。
赤石のかりょがどんな結末を迎えたかはまだ決めてない(サービス終ってない)のですが、
まあ、人間ですし、どこかでは死んだのでしょう。
そして、その死に方は良い物ではなかったはずです。
ソレンティアに生まれ変わるに置いて、かりょは、
・何があってもアイフィールの味方でなければならない
・ヴァーチャーズ(ハルムト)の人生に責任を持たねばならない
の2点を心残りにしてました。
とはいえ、攻撃魔法使いになれない宿命はまだ残ってます。また、「学園を卒業しなければ魔法使いになれない」世界観がある上に、転生が肯定されてないソレンティアの世界は、魔女かりょにとって過ごしやすい物ではなかったでしょう。
その辺、設定回りは、交流しつつ、年単位で決めていったので、どれが先とはあんまり覚えてませんがー。
「見た目は獣人、中身は日本人」だと面白いし、私が楽!とは思ってましたが、
蓋を開けてみたらどっこい、周り全員そうでしたわーというのはどこかでも言った気がします。
RP、出来てません……ですよ?!
異世界キャラなのに、喋り始めたら現代日本人……って人がほとんどでした。
異色キャラを目指したかりょは、ごくごく一般人でした。ナンテコッタイ。
とはいえ、自分の中では異常の理由づけが欲しいです。
平均年齢60歳程度、人種のるつぼで戦争ばっかりの後進国に住んでる人が、現代日本レベルの教養と生死観を持ってるとか。人が演ってるのを見てる分にはなんとも思わないんですが、自分でやる分にはちぐはぐすぎて悶えちゃう。
ここで、「魔法使いばかりの村」という構想が生まれました。
ソレンティアが基準であり、ソレンティアへ進学する事が常識であり、魔法使いになることが普通の村です。
この設定は非常に便利で、おかげで「姉のアイフィール」もすんなり出す事が出来ました。
赤石の設定を引き継いでるアイフィールですから、お姉さんで面倒見良くて腕力で全部解決する女傑です。
「魔法使いになる事が当たり前の村で、魔法使いになれなかった戦士」
というのまで持って来ました。
とはいえ、大人の事情で、「村を出た後でソレンティアへ進学することになった」という事になり訳ですが。
これらが融合して、かりょの半生が形になりました。
※
魔法使いだけの村ティモーレに生まれた、カリョウビンガ・ティヌヴィエル・テュアレイド。
(このなっがい名前もこれまでの色々をぶッ込んだものです)
適正としては、水属性攻撃魔法型だったのだが、姉のアイフィールに招待状が届かなかった事で進路希望を変更。
義父であるアイデュナイクに弟子入りして、「前衛がいなければならない・誰かを必要とする」治癒幻惑魔法に転向する。
しかし、アイフィールは結局村を出て行ってしまう。
「誰の為の治癒幻惑魔法使いなのか」という理由をなくしたかりょは鬱屈を抱え、やがて「悪いのはソレンティアじゃないのか?」という子供っぽい怒りを抱えたまま成長する。
そのまま学園に招待され、入学したかりょ。
もはや何の為かも忘れたけれど、くだらない粗探しをしたり、つまらない反抗をしながら学園生活を過ごす。
※
この辺りから、MMOよりSNSの方が面白いぞ、っとなってキャラがどんどん増えて行きました。
もともと狩り嫌いで、チャットをうにゃうにゃしたり、イメージイラストやイメージSSを書く方が好きでしたからね。
向いていたのだと思います。
で。
この辺りで、メインストーリーを進めようと、アイフィールを入学させます。
期間限定のつもりでしたけれど、たくさんの方に遊んで頂けて、良い思い出を作れました。
そして、満を持してかりょにぶつけます。
自作ですが。自演ですが。
これが、「祈りの歌」連作と、「祈らない歌」でした。
※
ソレンティアで、姉のアイフィールと再会し、嬉しいやら恥ずかしいやらで複雑なかりょ。
まっすぐ向き会えないまま、反抗して過ごす。
しかし、姉と接する内に、なぜ自分が反抗するのか、なぜ自分は世界に向けて怒りを抱えているのかを思い出して、子供っぽさに恥じ入る。
最終的に、姉妹でのガチバトルとして場を設けることとなった。
結果はかりょの勝利。
アイフィールは、相談なしにかりょを置いて行った、彼女を頼らなかった事を謝罪し、和解は成立した。
だが、蜜月はわずかで、アイフィールは卒業し、獣人界へ戻る。
今度は逃げるのではなく、自分の夢を叶える為に。
かりょはそれを見送る事しか出来なかった。
見殺しにすれば、アイフィールは何処かの戦場で死ぬ。
追えば、アイフィールはまたかりょを何処かで殺す。
未来はまだどちらになるか決まっていない。
※
ソレンティアは、かりょというPCの時間軸上の最後に位置してるので、まだどうなるかは決まっていませんが、誰かが手を加えない限り、歴史は繰り返します。
変える力を持っているのはハルムトですが、今のところまだ行使されていないようです。
なんか、すっきりしない終わりかただと思いますが、もうちょっとソレンティアが続けば、この辺が描かれてたかもしれないし、そうでもないかもしれない。
赤石をやりつつ、さすがにMMO2種類同時進行は無理だなーと思ってた所に、
面白い物を見つけました。
それこそが、魔法学園なりきりSNSです。
MMOなら無理だけど、SNSなら出来るかもーというので、始めました。
お正月でした。年の初めから何やってるの私。
もちろんこれが、紅炎のソレンティアでした。
ソレンにおいてまず考えたのは、「如何に手を抜くか」ということ。
サブゲームなのですから、まあ当然ですね!
だもんで、アッピー→赤石と同じ事をしました。
赤石かりょからそのまんま、設定を引っ張って来るアレです。
こうして、「ティモーレ出身、魔法使いのかりょ」が生まれました。
サブキャラの運命として、傲慢で乱暴者で性悪です。
一人称はやっぱり「かりょ」、青髪青目です。
「気を使いたくないし、気を使われたくない」
が真っ先にあり、そこであのプロフが生まれました。
あの、怖いと噂だったアレですw
「君が死んでもかりょは笑う」
でもこれ、便利だったんですよ。
「全員と友達になろう」と思ってた私は、もう絶滅しました。
「全員と友達になれなくてもいいや」の方が、はるかに楽です。サブゲームですし。
このプロフ宣言の何が良いかって、
まず真っ先に、「君が死んでも」と「君が死んだら」の違いが分からない人を弾ける。
些細な誤解で傷つくような人は、まず話しかけてこないわけです。
いやあ、これは楽でした!
あのプロフ「怖いよ!」ってすごく言われましたけど(ノ▽<*) 外そうかともちょっと考えた事ありましたが、結局最後までつけてましたね。
正解だったと思います。
※
さて、キャラ設定としては、赤石の更に後の時代です。
赤石のかりょがどんな結末を迎えたかはまだ決めてない(サービス終ってない)のですが、
まあ、人間ですし、どこかでは死んだのでしょう。
そして、その死に方は良い物ではなかったはずです。
ソレンティアに生まれ変わるに置いて、かりょは、
・何があってもアイフィールの味方でなければならない
・ヴァーチャーズ(ハルムト)の人生に責任を持たねばならない
の2点を心残りにしてました。
とはいえ、攻撃魔法使いになれない宿命はまだ残ってます。また、「学園を卒業しなければ魔法使いになれない」世界観がある上に、転生が肯定されてないソレンティアの世界は、魔女かりょにとって過ごしやすい物ではなかったでしょう。
その辺、設定回りは、交流しつつ、年単位で決めていったので、どれが先とはあんまり覚えてませんがー。
「見た目は獣人、中身は日本人」だと面白いし、私が楽!とは思ってましたが、
蓋を開けてみたらどっこい、周り全員そうでしたわーというのはどこかでも言った気がします。
RP、出来てません……ですよ?!
異世界キャラなのに、喋り始めたら現代日本人……って人がほとんどでした。
異色キャラを目指したかりょは、ごくごく一般人でした。ナンテコッタイ。
とはいえ、自分の中では異常の理由づけが欲しいです。
平均年齢60歳程度、人種のるつぼで戦争ばっかりの後進国に住んでる人が、現代日本レベルの教養と生死観を持ってるとか。人が演ってるのを見てる分にはなんとも思わないんですが、自分でやる分にはちぐはぐすぎて悶えちゃう。
ここで、「魔法使いばかりの村」という構想が生まれました。
ソレンティアが基準であり、ソレンティアへ進学する事が常識であり、魔法使いになることが普通の村です。
この設定は非常に便利で、おかげで「姉のアイフィール」もすんなり出す事が出来ました。
赤石の設定を引き継いでるアイフィールですから、お姉さんで面倒見良くて腕力で全部解決する女傑です。
「魔法使いになる事が当たり前の村で、魔法使いになれなかった戦士」
というのまで持って来ました。
とはいえ、大人の事情で、「村を出た後でソレンティアへ進学することになった」という事になり訳ですが。
これらが融合して、かりょの半生が形になりました。
※
魔法使いだけの村ティモーレに生まれた、カリョウビンガ・ティヌヴィエル・テュアレイド。
(このなっがい名前もこれまでの色々をぶッ込んだものです)
適正としては、水属性攻撃魔法型だったのだが、姉のアイフィールに招待状が届かなかった事で進路希望を変更。
義父であるアイデュナイクに弟子入りして、「前衛がいなければならない・誰かを必要とする」治癒幻惑魔法に転向する。
しかし、アイフィールは結局村を出て行ってしまう。
「誰の為の治癒幻惑魔法使いなのか」という理由をなくしたかりょは鬱屈を抱え、やがて「悪いのはソレンティアじゃないのか?」という子供っぽい怒りを抱えたまま成長する。
そのまま学園に招待され、入学したかりょ。
もはや何の為かも忘れたけれど、くだらない粗探しをしたり、つまらない反抗をしながら学園生活を過ごす。
※
この辺りから、MMOよりSNSの方が面白いぞ、っとなってキャラがどんどん増えて行きました。
もともと狩り嫌いで、チャットをうにゃうにゃしたり、イメージイラストやイメージSSを書く方が好きでしたからね。
向いていたのだと思います。
で。
この辺りで、メインストーリーを進めようと、アイフィールを入学させます。
期間限定のつもりでしたけれど、たくさんの方に遊んで頂けて、良い思い出を作れました。
そして、満を持してかりょにぶつけます。
自作ですが。自演ですが。
これが、「祈りの歌」連作と、「祈らない歌」でした。
※
ソレンティアで、姉のアイフィールと再会し、嬉しいやら恥ずかしいやらで複雑なかりょ。
まっすぐ向き会えないまま、反抗して過ごす。
しかし、姉と接する内に、なぜ自分が反抗するのか、なぜ自分は世界に向けて怒りを抱えているのかを思い出して、子供っぽさに恥じ入る。
最終的に、姉妹でのガチバトルとして場を設けることとなった。
結果はかりょの勝利。
アイフィールは、相談なしにかりょを置いて行った、彼女を頼らなかった事を謝罪し、和解は成立した。
だが、蜜月はわずかで、アイフィールは卒業し、獣人界へ戻る。
今度は逃げるのではなく、自分の夢を叶える為に。
かりょはそれを見送る事しか出来なかった。
見殺しにすれば、アイフィールは何処かの戦場で死ぬ。
追えば、アイフィールはまたかりょを何処かで殺す。
未来はまだどちらになるか決まっていない。
※
ソレンティアは、かりょというPCの時間軸上の最後に位置してるので、まだどうなるかは決まっていませんが、誰かが手を加えない限り、歴史は繰り返します。
変える力を持っているのはハルムトですが、今のところまだ行使されていないようです。
なんか、すっきりしない終わりかただと思いますが、もうちょっとソレンティアが続けば、この辺が描かれてたかもしれないし、そうでもないかもしれない。
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