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誰でもお気軽にコメントどうぞ。過去記事や微妙に趣旨ずれてても気にしない系のかりょです。
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上橋菜穂子作 講談社文庫 

「獣の奏者エリン」というアニメを途中の一話だけ見たことがあり、それがまたけもけももふもふの回かつ、NHKなのに大人っぽい話だなあと印象に残っていました。
なので、原作をガレージセールで見かけて、微妙に題名が違ったものの、これが原作だとピンときました。講談社文庫からアニメ化ってなんだか珍しいなーと思いつつ、即購入。

……うん、これは面白い!!
深夜までかかって2冊読み切ってしまいました。
本編の面白さに比べて、巻末にはびっくりするほどつまらない解説がついていたのですが、ただ、この解説者にはひとつだけ誉められることがありまして。どうでもいい横道と読了した人には分かり切ってる、数ページにわたる感想文を排除して1文にまとめると、この作品の面白さをよく表現してると思います。

つまり、
「天使も魔法も出てこない大人のファンタジー」
小野さんの十二国記もファンタジーとしては異色ですが、これもまた違った方向で異色です。
リアリティと生々しさが、ノンフィクションばりです。中でも特に幻想動物が素晴らしい。もふもふけもけもしてて、けも好きにはたまりません。
文章も巧い。
物語の最初は、夜の明けきらない朝まだきに、「母」のたてる音で主人公が目を覚ますシーンから始まるのですが、包み込まれるような雨の音、「母」のにおい、そういったものが一気に襲いかかってきます。
これはすごい。

~~ざっくりあらすじ~~
闘蛇という戦闘用の動物を育てる村で、生まれ育った10歳の少女エリン。
だが、彼女の母親は、村の外から来た異邦人だった。まだ完全に理解できないような疎外感を感じながらも平和に過ごしていた彼女だったが……。
ある日、母親は、その闘蛇を大量死させた罪を問われてしまう。
母親を救わねば。10歳の悲痛な決意は、しかし、大人の権力、そして、絶対的な闘蛇の前に無力だった。
~~~~

見所は、理解不能な獣が、神聖でなくなっていくその過程。
そして闘蛇の圧倒的な存在感と、その天敵である王獣のもふもふ感。
複数の登場人物の運命が、ひと所に寄りあわされるドラマ。
霧の民<アーリョ>の使命と国の歴史が動く瞬間。

少女の成長物語、動物もの、歴史ものが組み合わさった良質な小説でした。
御馳走様です。

……そして、繰り返しますが巻末の解説が本当につまらな(ry
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獣の奏者
初コメです。失礼いたします。
獣の奏者面白いですよね!

かりょさんの感想だと、まだ探究編と完結編は読み終わっておられない感じでしょうか。

文庫本ですと、4冊あるはず・・・!
続編も面白いので、是非是非読んでみてください、です・・・っ
Posted by ききびび 2013.06.13 Thu 04:06 編集
>ききびび様
いらせられませ!
正直ここまで面白いとは思ってませんでした。
いい出会いでした~。

……ふぁっ?!
よくぞお見抜きで!
その通り、闘蛇編、王獣編を読み終わって、続きを探してるところです!
え、そんなふうに言われると気になる!!! 今日ついでに本屋寄って行こうかな……!
Posted by かりょ 2013.06.13 Thu 15:48 編集
無題
2重投稿すみません・・・!

えへへ。上橋菜穂子ファンです。
「精霊の守り人」をはじめとする、守り人シリーズや、「狐笛のかなた」という作品もお勧めです。

どの作品も本当に読むたびに惹きこまれます。
良かったらぜひぜひ、です
(出版社の回し者か・・・?!)
Posted by ききびび 2013.06.13 Thu 22:16 編集
いひひ
箱に戻ったら、一個消しておきますね(・∀・)b

あれ、その題名どこかで……と思ったら、SNSで宣伝してらした作品じゃありませんか!
同じ人だったのかー。
この回し者めぃ(´∀`)σプニュ

たまらずつい3,4巻を買っちゃたので、今夜読むのです!
Posted by かりょ 2013.06.13 Thu 22:28 編集
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