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誰でもお気軽にコメントどうぞ。過去記事や微妙に趣旨ずれてても気にしない系のかりょです。
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……を、読んでいます。

全く事前情報なしに、古本屋で題名買いしたのですが、なかなか当たりかも。
文章のテンポがよく、言葉扱いも、感情描写も丁寧で読み応えがあります。

なにぶん、オビが、
「ふつうの少年たちが、なぜ人を殺すのか──?」
だもので、主人公の3少年がこれから殺人をするのは、読む前にネタバレしています。
ので。
どの少年が、誰を、どんな理由で殺すのか?というところを予想しながら読んでいます。

久遠は、絵に描いたような不良少年。
動物虐待も日常的に行っているので、誰を、どんな目的で殺してもおかしくないのですが(逆に、誰を殺すのかが予想つかないくらい)、残り2少年が難しい。
葛城は、お金持ちで眉目秀麗で頭脳明晰な少年。
尚彦は、母子家庭(かつ、母親と同居していない)ながらも、心優しく気弱な少年。
どちらも、「殺人」とは縁遠く思えます。

縁遠いと言っても、その種類がまた違って、面白い。
人当たりのいい葛城にも、死ぬほど憎らしい相手が世界にただ一人だけいるので、殺すならこの相手かな、と思いますし、実際に殺してしまうのも予想の範囲内なのですが、
彼ほどの才能と知恵があって、「ばれるような殺人をする」ことが意外です。
激昂するようなタイプでもないので、殺すと決めたら周到に準備をし、計画を練って、ばれないようにやるように思えるのですが。
強いていえば、義母の伏線がしつこい感じなので、義母とよからぬ関係になって、父親を……というあたりかも。
少なくとも義母は何らかの形で関わって来そう。

尚彦の方は、間違いなく「誰かの為、優しさの為の殺人」だろうと思えます。
こちらもまた、激情に駆られるような少年ではないのですが、大事な人が傷つけられるのを見たら、不器用に、かつ思いつめて行動することはありそう。
叔母を庇って実母を……か、叔母を庇ってヒモを……、あたりかなと予想。
そして、全篇を通して、視点は変わってもずっと三人称なのですが、尚彦だけがなぜか一人称で進むのも興味深い。
堅い大人の文章の中に、尚彦のちょっと語彙の幼い章が入るとホッとする感じがあるので、そういう効果狙いかもしれませんが。

もうすぐ上巻の終わりなのですが、中巻は少年院の話ということで、残りページ数で休憩なしに山場に上り詰めそう。
さてさて、楽しみです。
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