ネクタイを何度も直し、緊張しながらスカウト。
初めて所属してくれたちょっぴりだけレア度の高いアイドル。
だんだん所属人数が増えてきても、レベルの高い分、他を引っ張ってくれて、彼女こそ、事務所のトレードマークだった。
センターはいつも彼女。そして、プロデューサーの期待に常に彼女は答えてくれた。

しかし、時が経つにつれて、次第に集まって来る高レアや激レア度アイドル。
次第次第に、彼女がセンターから外れる事が多くなる。
彼女と同じレア度のアイドルは、もはや主力から素材になる。
激レアアイドルが他プロデューサーに勧誘されないよう、吊りあげられてゆく給料。

彼女に支払う給料は、レア度に対してレベルが高いのでちょっと割高。
事務所立ち上げ当初から居た彼女だけど、あの時の事務所は今やすでに違うものだ。
我々は新参ではなくなり、今や中堅に名を連ねている。
次第に彼女が疎ましくなってくる。解雇ボタンがやけに浮いて見える。

そんな時にリアル事情で3カ月ほどゲームから離れざるを得なくなった。
やっと時間が出来て、ゲーム画面を立ち上げる。
お知らせボックスには、「激レアアイドルが、他プロデューサーに引き抜かれました」
あるいは「給料が支払えず、アイドルが立ち去りました」の文字が並ぶ。

引退の文字を考えながら、アイドル一覧を開いた時……、
そこで、彼女がたった一人で笑っていた。

「きっと帰って来てくれると思っていました。
おかえりなさい、プロデューサー」

僕も笑う。
立ち上げ当時みたいだね、って。
ただいま、って。


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……という感じのシビアな運営ゲームを想像してたんですが、全然そんなことはなかったぜ。
むしろ、社会人（お金持ってるけど時間がない人）に優しい感じの育成ゲームでしたお。

とりあえず、当初の目的（コラボ報酬）はゲット出来たので、あとはぬるぬるとやる感じですかねー。